呪文 二郎

呪文とは二郎のコールの中でも特に長い場合に限定して使われるマニア用語

ラーメン二郎にはコールと呼ばれている独自のトッピング注文方法があります。トッピングの野菜(ヤサイ)、豚の背脂(アブラ)の量をどうするか、刻みニンニク(ニンニク)は入れるのか、スープのタレは濃いめ(カラメ)にするのか、こういったトッピングの希望を伝えるリクエスト方法がコールまたは呪文と呼ばれます。


出典:うれっこ

なぜ、トッピングの希望のオーダー用語が呪文と呼ばれるのか?

アブラナシヤサイカラメマシニンニクスクナメ(背脂なし、野菜多め、スープのタレ多め、刻みニンニク少なめ)、
ヤサイマシマシカラメマシアブラスクナメニンニク(野菜はかなり多め、スープのタレ多め、背脂少なめ、刻みニンニク多め)など、
二郎では、トッピングの細かいリクエストまで丁寧に伝えようとすると、どうしても呪文というか、お経というか、長い連続した言葉になるので、呪文という言葉で呼ばれているわけなんですね。
まあ、初めて二郎でコールを聞く人から見ればラーメン屋で、なぜ、謎の呪文を唱えてるようにしか見えませんね(笑)

実際い呪文(コール)はどう言えばいいのか

呪文は、二郎で、ヤサイ、、アブラ、タレ、ニンニクの量を決めるためのものなので、
少ない順から、ヌキ(ナシでもOKなケースが多い)、スクナメ、マシ、マシマシと言えばOKです。

ヌキは、文字通り入れない、スクナメは通常より少なめ、マシは通常より多め、マシマシは通常の2倍です。
ちなみに、一部の二郎やインスパイアでは、チョモランマという通常の3倍以上も受け付けてくれますが、受け付けていない店も多いのでご注意ください。
通常の量でいい場合は「ヤサイ、ニンニク、アブラ、カラメ」のように、トッピングしたいものを並べて言えばOKです。

このように、二郎の店員に呪文を伝えることで、自分好みの二郎のラーメンにカスタマイズできるので、呪文は意味不明ながら、もともとは客のためのサービスなんですね。謎の呪文はもちろん、二郎には暗黙のルールもありますが、それらに負けず、ぜひ、二郎で楽しんでラーメンを食べてみてください。

穂先メンマ

穂先メンマとは柔らかな口当たりの筍の穂先(先端)を使用したメンマのこと

穂先メンマは麻竹のタケノコの穂先部分のみ使って作られているメンマです。食感は一般のメンマに比べて柔らかいのが特徴です。ただし、タケノコ1本から穂先メンマに加工できる量は少なく、価格も高めなので、主に大都市の有名ラーメン店で多く使われています。

穂先メンマの素材

穂先メンマは、主にこだわりの淡麗系ラーメン店で、ラーメンの丼上を飾る意味合いも含めて使われている具材です。淡麗系スープに合わせることが多いため、スープの邪魔をしないように通常のメンマより味付けも薄めになっています。
穂先メンマは、原材料となる麻竹(マチク)の筍(タケノコ)の中でも、特に柔らかい穂先(先端)の部分のみを作って作られています。

丼上をアーチ状に飾っている成城学園の碇
出典:ラーメン大好き本島莉々果

穂先メンマの作り方(製造方法)

穂先メンマは、麻竹の筍の柔らかな穂先のみ丁寧に長い時間をかけて乳酸発酵させて熟成させます。この熟成の工程でメンマらしい独特な風味が生まれるのです。その後、塩蔵・乾燥・水煮・・・、このいずれかの方法で長期保存するための加工が施されてから、主にラーメン店に渡っていきます。

穂先メンマ
出典:業務用メンマ卸問屋(通販店)

ラーメン店では、塩蔵・乾燥の穂先メンマの場合、まずは最適な柔らかさになるように水で戻します。水で戻す際、穂先メンマの塩味も抜けるため、清湯スープ等で旨みがある状態に仕上げてからラーメンの具として使われます。

穂先メンマを使った有名ラーメン店

中華そば 四つ葉

Yotsuba_20141109_19出典:らーめん喰倒記

比内地鶏から取ったスープと3種類の醤油をブレンドしたタレを合わせたを中華そばは、完成度が極めて高いもの。穂先メンマはスープと麺の邪魔にならないように淡い味付けの状態で添えられています。中華そばの他、蛤そばもというメニューもあり、こちらも蛤の風味が「これでもか!」と押し寄せてくる絶品です。
店の隣には店主のご両親が経営している寿司屋があり、ラーメン屋なのに店内でお寿司も食べられます。

麦と麺助

麦と麺助
出典:麦と麺助twitter

麦と麺助の看板メニューは中華そば。京地鶏ベースのスープに鰹節の出汁を合わせたダブルスープのラーメンです。昆布や椎茸の旨みも加えてあり、淡麗で上品な味わいに仕上がっています。細麺は小麦の香りがしっかりとしたタイプです。

もう一品の看板メニューのイリコそばは、透明なスープが美しいラーメン。最高級の伊吹イリコ(煮干し)で丁寧に出汁を取っているので、口中に雑味が全くなく旨味だけが広がるスープです。チャーシューは存在感あるレアチャーシューともも焼豚。特にもも焼豚が香ばしくて柔らかい絶品です。麺は中細麺でコシもある美味しいものです。

メンマ

メンマとは主にラーメンの具として使われるタケノコを発酵させた食材のこと。

メンマとは

メンマは中華料理の食材ですが、日本ではラーメンのトッピングとして麺の上に乗っていることが多いと思います。ラーメン店では、ラーメンの具に使われる以外にでも酒のつまみとしても出されます。メンマをキムチに和えるつまみもあります。
家庭では桃屋のメンマなどメンマを水で戻して味つけした製品が使われていますね。ちなみにメンマの本場の台湾ではメンマは炒め物の具の1つとして用いられています。メンマを炒めてゴマを振りかけたメニューがあるそうです。

メンマが大量に乗ったラーメン
メンマ
出典:ラーメンスープ・タレ.com

ラーメン界のトレンドは穂先メンマ

最新のラーメン界では穂先メンマがトレンドです。ビジュアルが美しく柔らかな食感なので人気があります。

穂先メンマ
出典:BtoBプラットフォーム

ただし、穂先メンマは麻竹タケノコの穂先部分のみ使用するため1本から取れるのはどうしても少量になってしまいます。そのため、出回る量には限界があり、原価も上がっていますが、大都市で創作意欲の高いラーメン店では使われていることが多いものです。
穂先メンマの食感は一般のメンマに比べて柔らかですが、それなりにシャキっとした歯ごたえも残っているのがポイントですね。

穂先メンマの詳しい内容はコチラ

メンマという名前の由来

メンマという呼び方は、ラーメン(メン)の上に麻筍 (マチク)を乗せたものだから、麺麻(メンマ)と呼ばれるようになったという説が一般的です。
この他、中華料理の「碼」を起源とするいう説もあります。中国語では「碼」とは料理の具材を表す一般用語です。そのため麺の具材なら麺碼になるということです。ただし、中国の麺料理で麺の上にタケノコを乗せるケースは珍しいそうなので、この説は以前よりも下火になってきているようです。

なお、メンマは過去には支那竹(シナチク)とも呼ばれていました。支那(中国)のタケノコというシンプルなネーミングなのですが、これは昭和初期の古い呼び方なんですね。支那竹の支那は清から派生した言葉で現在の中国を意味しますが、日本では歴史的な問題もあって、今の時代では支那という言葉は使いにくいわけです。だから支那竹(シナチク)という呼び名も変更を余儀なくされたようですね。

メンマの製造方法

メンマは麻竹(まちく)の筍(たけのこ)を茹でる、または、蒸すことでアクを抜いて、塩漬けにしてから甕に入れて土中で乳酸発酵させた後、天日で乾燥させて作りあげます。結構、手間がかかっている食材なんですね。
食材としてラーメン店などに出荷される際は、乾燥タイプ、塩蔵タイプや、水で煮て塩抜きしてから出荷されるタイプの製品のどれかになると思います。
ラーメン店では、固めを出したいなら乾燥タイプで戻し時間を調整すれば固い食感にしやすいと思います。柔らかめで出したいなら水煮タイプで作るのが最適です。

メンマの材料

メンマの材料はメンマのマの由来となったと言われる中国南部・台湾の麻竹 (マチク)です。マチクは亜熱帯の竹なので成長が早く、収穫時は鎌で切り取れるくらい柔らかいものなので食材として使いやすいのです。
一方、日本など温帯の竹は真竹(マダケ)が多く、これは戦国時代には武器に使われたぐらい固い材質なので食材にするには不向きです。日本国内産の竹を使ったメンマも少量製造されていますが国内消費量の1%程度しかありません。やはり日本の真竹(マダケ)は固すぎて食材にするのには向かないようですね。

焦がしネギ(揚げ葱)

焦がしねぎとは油で揚げたねぎのこと。揚げネギともいう。ラーメンのスープの香ばしさと食感が増す。

焦がしネギ(揚げねぎ)は葱を大量の油(サラダ油など)で揚げたもの。調味料でもありトッピングでもある食材です。
焦がし葱は、葱1本をそのまま揚げてから切るのではなく、葱の欠片1つ1つがカラっと揚がるように細かく切ってから揚げます。切り方は、微塵(みじん)切りか、白髪切りか、大体、このどちらかになります。一般的には、みじん切りにしてから揚げることが多いです。


出典:古樹軒

焦がしねぎを入れたラーメン

こがし葱は、台湾から日本に来られた方が始めた店で出されるラーメンで定番になっています。
有名なのは、東京は大井町の永楽渋谷の喜楽ですね。

永楽

出典:GOTRIP

焦がしネギとネギ油がたっぷりと入った中華そばがウリ。スープは上品な薄味で、麺は柔らかな食感の平打ち麺。もやしの量も多めですが、やはりポイントは焦がし葱。スープの上に大量に乗ります。チャーシューは肩ロースを使ったオーソドックスなタイプ。この店の初代店主は台湾から来た方だそうで、中華料理の影響を感じます。
また、揚げ葱が黒く、ラーメンの表面にゴミが浮かんでいるように見えるため、常連はゴミラーメンと呼ぶという都市伝説がありますが、実際に「ゴミラーメン1つ」のように注文している客は見たことがありません。面白おかしく伝えられているだけのようです。

喜楽

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出典:Mealthy [メルシー]

1952年創業の渋谷の老舗。中華麺ともやし麺が人気。老舗ながら最新のラーメン店と互角の高評価を維持している名店です。中華麺は、スープは鶏ガラ、豚ガラから取ったさっぱりタイプで、台湾直輸入の焦がしネギが浮かんでいます。麺は平打ちの太麺。具は茹でモヤシ、チャーシュー、味付け玉子半分。喜楽最大の魅力は、やはり焦し葱の香ばしさが効いた美味しいスープだと思います。

焦がしねぎを入手する方法

まず、通常のスーパーでは売っていないので、中華食材の専門店、または、中華やエスニック食材の通販で手に入れることが一般的です。ただし、市販の焦がしネギは、赤ネギやエシャロットを揚げたものが多く、長ネギを揚げて作ったものと比べると、キリっとした風味が弱い傾向があると思います。ちなみに赤ねぎは玉ねぎとエシャロットを足して2で割ったような風味を持つ食材で、揚げると独特の甘みが生まれる食材です。

焦がし葱の作り方・レシピ

焦がし葱油の作り方を紹介します。簡単に作れるレシピです。

■材料
サラダ油 200ml
長ねぎ 1本

■作り方
【1】長ねぎの根元は切り落としてから、3mm幅を目安に輪切りにします。
【2】フライパンに、サラダ油を入れて、輪切りにしたネギ、薄く切ったニンニクを入れて弱火にして焦がさないように約30分ぐらい揚げます。とにかく限りなく弱火で揚げることが重要です。長ねぎを焦がしてしまうと、揚げねぎとして使えませんし、ネギ油も苦くなってしまいます。
【3】長ねぎがキツネ色になるぐらいコンガリとした焼き色がついたら火を止めます。
【4】網で濾して長ねぎと油を分離させます。揚げたネギが揚げねぎに、油はネギ油になります。

熱盛(あつもり)

熱盛(あつもり)とはつけ麺で熱い状態の麺を提供すること

ラーメンには、もともと蕎麦に由来する用語がかなり多いのですが、熱盛りもその1つです。蕎麦を茹でて熱い状態で提供する盛り蕎麦のことを熱盛(あつもり)と言いますが、それがラーメンのつけ麺にも受け継がれているということです。


出典:うれっこ

つけ麺の発明者は、東池袋の大勝軒の創設者でラーメンの神様とも言われた故・山岸一雄さんです。山岸さんは蕎麦の修行から始められてラーメンの世界に転じられた方。麺をつけダレにつけて食べるスタイルは、明らかに、蕎麦のせいろ・ざる蕎麦の食べ方を受け継いでいます。実際、つけ麺のことを店によっては「もりそば」「つけそば」「ざるラーメン」と呼ぶケースもあります。このような蕎麦の文化を継承してきた流れの中で、熱盛りもつけ麺に導入されたのだと思われます。

恐らく、つけ麺には最初は冷盛しかなかったのではないかと思います(あえて冷盛という表現は通常は使いませんが)。実際、小麦の麺は冷たい方が麺のコシも強くて美味しいと思いますが、東池袋の大勝軒では温かい麺も食べてみたいと客から言われた際、蕎麦文化の常識だった熱盛を、ごく自然に提供されたのでないかと思っています。

実は、、、熱盛は冷盛より手間がかかる

あつもりは、茹であがった麺をそのまま客に出すような手抜きで作っているわけではありません。茹で終えた熱い麺をいったん冷水で締めてから、もう一度お湯に通して温めた麺が提供されているのです。実はかなり手間がかかっているのです。この製法で出されるあつもりは、麺の表面は温かく、麺の中心は冷水の効果でしっかり締まっていますので、口に入れるときは温かく、麺を噛んでみると歯応えのいい食感が味わえるようになっています。

また、表面を温かい麺に仕上げているために、つけダレが冷めずないで熱いまま味わい続けられるメリットもあります。

ただし、一部のつけ麺の店では、麺を冷やしてから再び温める手間をかけず、茹で上げたままの麺を出すことがあるようなので、注意が必要ですね。

テレビ朝日の熱盛の使用は邪道?

テレビ朝日の「報道ステーション」ではプロ野球でファインプレイなど魂のこもったプレイを紹介する際に熱盛という言葉が用いられます。これははっきり言って邪道だと思います。つけ麺の熱盛というキーワードが流行り出したので、便乗した感じが否めません。まあ、ジャンルが全く違うので目くじらを立てるほどではありませんが(笑)

白湯(パイタン)

白湯(ぱいたん)とは鶏ガラ・豚骨などを強火で煮込み、脂肪とゼラチン質が乳化した白濁スープのこと

白湯(パイタン)は文字通り白く濁ったスープ

白湯では、白は白濁、湯はスープを意味しています。まさに漢字そのままで白く濁ったスープというわけです。ちなみに、白湯の本場の中国では「白湯スープ」とは言いません。湯がスープで、タンもスープなので、スープという意味の言葉が2重に使われてしまうからです。
ちなみに、白湯という漢字は、ラーメン業界では「ぱいたん」と読まれ、医療現場では「さゆ」と読まれますが、今回はラーメンとは関係ない「さゆ」の方は割愛しますね。

白湯(パイタン)スープ出典:Nobby のサーフ&グルメ

白湯ラーメンと豚骨ラーメンの違い

一般的には、白湯ラーメンという際は、鶏ガラスープで作った鶏白湯ラーメンのことを示すすことが多いと思います。一方、豚骨スープで作った白湯ラーメンも白湯ラーメンと呼んでもいいのですが、実際には、豚骨ラーメンと呼ばれることが多いですね。

白湯ラーメン、白湯というキーワードが一般的になる前から、博多豚骨ラーメンなどで豚骨ラーメンという言葉がラーメン界では定着していたからだと思います。

白湯(パイタン)の作り方

さて、実際に白湯を自分で作って食べてみたいとお思いの方にコラーゲンたっぷりの白湯スープのレシピを公開します。

白湯スープは鶏ガラor豚骨を長時間煮込んで作りますが、豚骨は一般のスーパーでは手に入りにくい上、鶏ガラの5~10倍も煮込む時間がかかるので家庭では鶏ガラを素材として使うのが一般的です。鶏ガラを煮込んで作る白湯スープも完成までにはそれなりの時間はかかりますが、豚骨と比べれば、圧力鍋も使わずに済む、下処理(下ゆで)も簡単・・・など、豚骨スープを作るよりも遥かに手間が少ないのが魅力です。

■スープの材料(2杯分、1杯450ml)
鶏ガラ 約400g
ネギ(青い部分) 100g
野菜(玉ねぎ、キャベツ等) 100g
ニンニク 2片
生姜 100g
酒 100cc
昆布 5cm×5cm
水 6リットル

■作り方(手順)
1.大きい鍋に鶏ガラが隠れるぐらいまでを目安に水を入れて沸騰させます。

2.沸騰したら鶏ガラを入れます。血抜きするために3~5分くらい下茹でします。

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出典:そうだ!自分でラーメンを作ろう!

3.生姜は半分、玉ねぎは1/4ぐらいに切っておきます。

4.下茹でしたお湯を捨てて鍋を空にしてから、下茹でした鶏ガラと
切っておいた野菜、ニンニク、生姜、酒、水4リットルを鍋に入れて、
そのまま蓋を閉めて強火で2時間ぐらい煮込みます。

5.2時間ぐらい煮込めばスープが白濁してきます。ずっと強火で煮ているため
水が少なくなっているので、2リットルの水を鍋に追加します。


出典:完全図解!どこよりも詳しい!濃厚鶏白湯スープの作り方

6.引き続き強火で2時間ぐらい、さらに煮込みます。

7.煮込み終わる30分前ぐらいに弱火にして昆布を入れます。

8.煮込み終わったら、目の細かい網などで濾せば白湯スープが完成します。


出典:完全図解!どこよりも詳しい!濃厚鶏白湯スープの作り方

かえし(返し)

かえし(返し)とは煮かえしの略語でスープで割る前のタレのこと。

ラーメンの本・ブログ等を読んでいると、かえしという言葉が出てくることがあります。日常生活では滅多に使わないキーワードなので「何これ?」と思われる方も多いかもしれませんが、ラーメンでかえしという場合、ほぼ醤油ダレを意味します。

タレ専用のホーローの容器に入れられたかえしかえし
出典:CooNelNel

本来は「かえし」は蕎麦用語

かえしとは「煮かえし」という言葉の後側だけ使ったもので、もともとは蕎麦業界で使われている専門用語です。簡単に言えば蕎麦つゆのタレのことです。このかえしを出汁で割ったスープが蕎麦汁になります。ラーメンもタレをスープで割って作るので、スープで割る前のベースとなるタレのことをカエシと呼ぶわけです。

    • かえし+出汁=蕎麦つゆ
    • かえし+スープ=ラーメンのスープ

今では、蕎麦とラーメンのかえしは別々のものになっていることが多くなっていますが、ラーメンが登場した時代は、蕎麦もラーメンも同じかえしを使っていたケースが多かったと考えられます。同じものだからこそ、蕎麦のタレ、ラーメンのタレ、どちらも「かえし」と呼んでいたと考えられています。

実際、蕎麦・ラーメンとも長い歴史がある山形では、蕎麦で使っているかえしに、ラーメンの鶏ガラスープを注いで仕上げた「鶏中華」というラーメンが今でも残っています。
また、歴史ある商店街にはラーメンが食べられる蕎麦屋が残っていることがありますが、今でも蕎麦屋で食べられるラーメンでは、蕎麦のかえしにラーメンのスープを注いで作っていることが多いようです。
かえしは、蕎麦屋のあらゆるメニューに使われる万能タレなので、ラーメンに使うことは当然の発想だったのでしょうね。

また、ラーメンの神様と言われた山岸一雄さんも、蕎麦で有名な長野県の出身なのですが、山岸さんが発明したつけ麺も「冷たい麺をかえしを薄めて酢を入れたタレにつけて食べる麺料理」ということで、まさにざる蕎麦と同じ発想で作られたラーメンですね。このように、かえしは元々は蕎麦のレシピからラーメンに受け継がれたものなのです。

ラーメンならではかえしの作り方

基本的なかえしは、醤油+砂糖+みりんを混ぜたものに火を入れて作ります。
家庭で作るなら醤油400ミリリットル、本みりん40-80ミリリットル、砂糖50-80gが適量だと思います。以下の手順で作れます。
1)鍋に醤油を入れて、中火で温める。煮立たせてるのは絶対にNG。
2)アクのような膜が鍋の上に広がってきたら砂糖を入れる。
3)砂糖が溶けたら鍋にみりんを入れてかき混ぜる。
4)弱火にして表面がアクのような膜で覆われてきたら火を止める

ただし、蕎麦とラーメンでは「素材に豚を使うかどうか」が大きな違いになっています。かえしに限らず、蕎麦を使う料理で豚を使うケースは滅多にありませんが、コクを求めるラーメンの場合、豚の使用は非常に重要です。
そのため、昔はチャーシュー(煮豚)の煮汁を煮詰めたものをタレ(かえし)として使う店が非常に多かったのです。一昔前のラーメンのレシピ本を読むとタレ(かえし)はチャーシューの煮汁で作ると書いてあるケースがほとんどです。

チャーシューは、醤油+砂糖+みりんを混ぜたかえしで煮るので、できあがったラーメン用のかえしには豚エキスと脂が入っていて、コクが強くなっています。

もちろん、現在はラーメンの美味しさを追求するため、かえしを専用工程で作る店が増え、製法も店ごとに違うものになってきています。また、ラーメンの場合、カエシに頼らず、香味油で風味を増すことも増えています。それでも、今もなお、ラーメンの味のコントラーはかえしです。返しの重要性は根強く残っています。

今のラーメンのかえしは醤油ベース以外もある

ラーメンは蕎麦と違って伝統にとらわれずに作られるため、タレのバリエーションも醤油以外にも拡大しています。
味噌ラーメン、塩ラーメンも、ラーメンの重要なメニューになっています。そのため、今では、味噌ラーメンのタレ、塩ラーメンのタレなども含めた、タレ全体の総称としてもかえしという言葉が使われることもあります。