麺帯とは麺を1本1本に切り分けていく前に小麦粉を練りあげて帯状にしたもの。
ラーメンの麺は、麺帯という平べったい小麦粉が帯状になったものを切って作ります。この切り方は、簡単に言えば、シュレッダーが紙を切り分けていくのに似た原理で作られています。
●シュレッダーは薄く平べったい紙を細長く切り分けていく仕組みです。
出典:まっつんの私的人生日記
●製麺機は平べったい帯状の麺帯を細長い麺線に切り分けていく機械です。
出典:大人の社会見学!成美製麺
こういった一連の製麺工程の中で、小麦粉を練った塊(麺塊と言います)を平べったい紙のように、帯状加工した状態を麺帯と呼んでいます。
麺を作る工程
麺塊を平べったい長い帯状の麺帯に加工してから、1本1本の麺線に切り分けていくことでラーメンの麺ができます。
麺帯がどの工程に位置づけられるのか、整理するため簡単にまとめておきます。
【1】小麦粉・水・かん水等の麺の材料をよくこねる(ミキシング)
ミキシングは、小麦粉・水・かん水を均一に混ぜる、混ぜたものを捏ねる2つの役割があります。この2つを合わせてミキシングといいます。
小麦粉・水・かん水・食塩等の麺の材料を巨大ミキサーに入れて混ぜてこねます。専用ミキサーの内部では芯棒が力強く回転しながら、麺の材料が混ぜられる構造になっています。ミキシングで麺塊に網目構造が形成され、デンプン粒子が抱き込まれて、適度に弾粘性をもった麺生地になる仕組みです。
十分にこね終わったら、そぼろ状になった大きな麺塊ができあがります。
出典:ムロフシ製麺所
【2】麺帯加工
ミキサーで練られた麺塊を麺帯複合機と呼ばれるローラーが並んだ機械に送り込んで、2枚の帯状の麺帯に加工していきます。さらに機械で上下から圧力をかけて1枚の麺帯に複合します。複合によってキメ細かな麺ができます。
この工程でできるのが麺帯です。
【3】熟成
麺帯ができたら、一旦、ビニール袋などに入れて麺帯を熟成させます。
一定時間、しっかりと麺帯を熟成させることで、麺の生地全体に弾力が出てきます。この熟成の工程によって、噛んだ感じが心地よい美味しい麺になります。
【4】麺を伸ばす(圧延をかける)
麺の熟成工程が終わると麺帯を最適なサイズ(麺の高さ)にするため引き伸ばします。直径が異なる4~5種類のローラーで段階ごとに最適な圧力をかけて徐々に引き伸ばしていきます。この工程を圧延と呼びます。
いくつものローラーを通していき、少しずつ麺帯が薄く延ばされていきます。
【5】麺を切る(切り出し)
最適な高さに延ばされた麺帯を製麺機で切って麺線にしていきます。機械で丁寧に切ります。以前はちぢれ麺は切り出した後、手で揉んで作っていましたが、最近ではちぢれ麺も機械で加工して作れるようになっています。