熱盛(あつもり)

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熱盛(あつもり)とはつけ麺で表面を温かくした麺を提供すること。

普通のつけ麺は、水で洗って冷たくなるように仕上げた麺ですが、あつもりは茹でた麺を水で締めた後、さらに湯通しして麺の表面が温かくなるように仕上げたものです。麺の表面が温かいので小麦の風味が伝わりやすくなります。特に冬場は温かい麺なので需要が増えますね。

ラーメンには、もともと蕎麦に由来する用語がかなり多いのですが、熱盛りもその1つです。蕎麦を茹でて熱い状態で提供する盛り蕎麦のことを熱盛(あつもり)と言いますが、それがラーメンのつけ麺にも受け継がれているということです。


出典:うれっこ

つけ麺の発明者は、東池袋の大勝軒の創設者でラーメンの神様とも言われた故・山岸一雄さんです。山岸さんは蕎麦の修行から始められてラーメンの世界に転じられた方。麺をつけダレにつけて食べるスタイルは、明らかに、蕎麦のせいろ・ざる蕎麦の食べ方を受け継いでいます。実際、つけ麺のことを店によっては「もりそば」「つけそば」「ざるラーメン」と呼ぶケースもあります。このような蕎麦の文化を継承してきた流れの中で、熱盛りもつけ麺に導入されたのだと思われます。

恐らく、つけ麺には最初は冷盛しかなかったのではないかと思います(あえて冷盛という表現は通常は使いませんが)。実際、小麦の麺は冷たい方が麺のコシも強くて美味しいと思いますが、東池袋の大勝軒では温かい麺も食べてみたいと客から言われた際、蕎麦文化の常識だった熱盛を、ごく自然に提供されたのでないかと思っています。

実は、、、熱盛は冷盛より手間がかかる

あつもりは、茹であがった麺をそのまま客に出すような手抜きで作っているわけではありません。茹で終えた熱い麺をいったん冷水で締めてから、もう一度お湯に通して温めた麺が提供されているのです。実はかなり手間がかかっているのです。この製法で出されるあつもりは、麺の表面は温かく、麺の中心は冷水の効果でしっかり締まっていますので、口に入れるときは温かく、麺を噛んでみると歯応えのいい食感が味わえるようになっています。

また、表面を温かい麺に仕上げているために、つけダレが冷めずないで熱いまま味わい続けられるメリットもあります。

ただし、一部のつけ麺の店では、麺を冷やしてから再び温める手間をかけず、茹で上げたままの麺を出すことがあるようなので、注意が必要ですね。

テレビ朝日の熱盛の使用は邪道?

テレビ朝日の「報道ステーション」ではプロ野球でファインプレイなど魂のこもったプレイを紹介する際に熱盛という言葉が用いられます。これははっきり言って邪道だと思います。つけ麺の熱盛というキーワードが流行り出したので、便乗した感じが否めません。まあ、ジャンルが全く違うので目くじらを立てるほどではありませんが(笑)

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