切り刃番手の切手とは麺を切る刃のこと。番手とは30mm幅の麺帯を何本の麺線に切り分けるのかを示す番号。
切刃番手は切り刃の規格を示すもの
切り刃番手はJIS(日本工業規格)で決められている規格です。幅30mmの麺帯から麺を切って何本の麺線にするかを決めているものになります。
切り刃番手の数字は1~30まであって、数字が小さいほど太麺に、数字が大きいほど細麺になります。
ちなみに、切刃番手の切り刃とは、文字どおり製麺所で麺を切るために製麺機にセットされる刃のことです。
以下の写真のように、麺帯から麺線に切り分けていくための刃が並んでいます。
シュレッダーも大きな紙を切り分けていくための刃が並んでいますが、構造としては類似性がありますね。
3切刃【番手5】製麺専用
出典:オークファン
細麺にするためには、番手の大きい数字の刃を使います。
例えば、30ミリ(3cm)幅の麺帯を30等分して1ミリ幅にする場合は、30番の切刃を使います。
1ミリ幅と言えばかなりの極細麺ですね。皆さんが夏によく食べる素麺は30番の切刃を使ったものです。博多ラーメンでは28番ぐらいの極細麺が結構、よく使われますね。
太麺にするためには、番手の小さい数字の刃を使います。
例えば、30ミリ(3cm)幅の麺帯を2等分して15ミリ幅にする場合は、2番の刃を使います。
ただし、2番の刃で切った1.5cm幅は太すぎますね。実際には2番の刃で切った麺は存在しないようです。あまりにも麺として食べにくい極太サイズですからね。
このように、30ミリ(3cm)÷番手で麺の幅が分かるようになっていますが、ラーメンでは太すぎる1~9番、細すぎる29~30番は、まず使われないと思います。実際のラーメンで使われるサイズの切り刃番手だけを表でまとめると以下のようになります。
切り刃 | 麺の幅 | 麺の太さ |
10番 | 3.0mm | 極太 例)東北のラーメン |
12番 | 2.5mm | |
14番 | 2.2mm | |
16番 | 1.875mm | 太 例)北海道のラーメン |
18番 | 1.7mm | |
20番 | 1.5mm | 通常 |
22番 | 1.4mm |
細
例)関西のラーメン |
24番 | 1.25mm | |
26番 | 1.15mm | |
28番 | 1.1mm | 極細 例)博多のラーメン |
麺の高さは?
麺の幅はわかったが、麺の高さはどうなる・・・と思われた方もいらっしゃるでしょうね。
麺は立体なので、幅×高さ×長さでサイズが決まります。
麺の高さ(麺帯厚と呼びます)は切刃の幅の3/4が標準となります。
計算式としては、麺幅×0.75になります。
人間の口は横長なので、麺は完全な丸型や四角型では食べにくいんでしょうね。
基本はやや横長の平べったい麺に加工するということですね。
実際、きしめんは極端に平べったい麺ですが、普通のラーメンも僅かながらに平べったく、高さは幅の3/4サイズになっているというわけです。
切刃にもいろいろ種類がある
切刃は麺の幅や高さを決めるだけではなく、形状も切り刃によって決まります。
麺の切り方次第で、麺の縮れ方、麺を茹でる際の煮こまれ方、麺の口触り・食感、スープとの絡み具合などが変わってくるものなのです。もちろん、麺の茹でる前の見た目も麺の切り方で大きく変わります。
角切(四角切り)
断面を完全に長方形に切る刃。麺の四隅が直角に近い角度になります。ラーメン向けによく使われています。
出典:うれっこ
薄切
刃先を少し鋭角に面取りするための切刃。やや口ざわりが滑らかな食感になります。
出典:うれっこ
丸刃
断面を丸型に成形するもの。うどんや素麺などで使われます。
出典:うれっこ